音響担当           

仕事内容
演劇におけるBGM、効果音の案を作成し、上演時に音響関係の操作をします。
どんな音響にするかは作品世界の成立に大きく影響しますから、演出担当者とよく話し合いをして音響効果の方向性を決定します。

音作り
楽器の生演奏、鳴り物を使って実際に「音」を作る方法もあるかと思いますが、 主流はやはり、録音された楽曲・音声データを、オーディオ機器を使って流す方法です。
高校演劇では、作品作りのためにオリジナル楽曲を(作詞)作曲をすることは稀です。 もちろん可能であればそれがベストですが、現実には難しいでしょう。
そうした事情から、多くの高校演劇作品では、市販のCD等から目的(シーン作り、演出効果)に合った楽曲や効果音を探し出し、上演中に流しています。

インターネットなどから楽曲を幅広く入手できるようになった一方、 著作権意識の高まりの中、音楽関係の著作権対応は年々厳密化しています。 例えばYouTubeの動画で使用されている音楽を安易にコピーして使うことは「孫コピー」であり、 著作権者から使用許可を得ているとは認められません。
音響担当者はそうした事情をよく理解し、適切な対応をすることも求められています。

 ◆音響の著作権について

BGMとともに重要な音が「効果音(SE)」です。
効果音CDやネット上のフリー素材を入手し、場合によっては加工して必要な音を作ります。
そういう意味では、音響係にはオーディオ関係の基本的な知識、デジタルデータとしての音声編集の知識・技術があることが望ましいです。
使用する音源は、一覧にしておきましょう。CDタイトルと曲名、ネット上にあったフリー音源の場合はダウンロードしたサイト名と音声ファイル名をまとめておきます。 上位大会では「音源リスト」の提示が求められます。
作品ごとに使用した楽曲や効果音の記録を持っておくことは、次の芝居作りのためにもよいことです。
(あってほしくはありませんが)音響データが壊れてしまった場合に急遽集め直す……なんてことがあった場合も強い味方となります。

音響台本・キューシート作り
「音響台本」は、音響の№(CDであればタイトルと曲番号、サンプラーであればバンク名とパッド番号など)、イン→アウトに関する情報(音量レベル、フェード/カットなど)を書きこんだ台本です。 音響台本があると、音響担当が急遽交代となった時にも代役を立てやすくなります。
 
  音響台本の例
上位大会では、音響キューシートの提出を求められます。上記の情報を、一枚紙にまとめたものです。

上演時の音響係(オペレーター)
校内公演
学校の教室などで校内公演をする場合は、音響についても自分たちの技術だけで仕込みと操作をしなければなりません。 自校でできる範囲の技術と知識を持っていたいものです。

 ◆基本編◇音響
 ◆校内公演◇音響

大会
劇場・ホールのスタッフがいて、仕込みについては高度な技術を提供してくれます。 こちら側がよくわかっていなくても、その意を汲み取って(気を利かせてくれて)演出イメージを実現してくれたり、 打合会やリハ―サルの時に的確なアドバイスがもらえたりします。
とはいえ、大会などでホール上演をする時は、会館の設備を使って
デッキに音源セット・交換⇒ミキサー操作
持ち込み音源機材の接続⇒ミキサー操作
といった操作をすることになります。 音響と音響機器に関する基本的な知識は必要です。

 ◆基本編◇音響
 ◆大会◇音響