劇場公演での音響
大会(コンクール)や合同公演でホールを使って劇を上演する場合、
ミキサーからスピーカーまではホールの設備・機材を使うことになるでしょう。
群馬県で開催される大会の多くは、再生機器とミキサーを操作する「音響卓」を客席後方に設置します。
(大会主催者の許可が得られれば、自前の機材一揃いを持ち込み、任意の場所で操作することも可能です。)
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音源
ここでいう「音源」とは、音響が録音されたCD等を指します。
上位の大会ではリハ―サル前後に「音源チェック」があります。
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再生機器
ホールが用意した機器を使う
ホールで用意するデッキ(カセット、CD、MD)の種類、台数を打ち合わせ会で確認します。
古いCDデッキの中には、CD-R、CD-RWだと読み取れない機種があります。
MDの場合、LPモードでの録音だと再生できない可能性があります。
MDのLPモード録音はなるべく避けましょう。
上記のトラブルに備える意味でも、念のため、オリジナル音源(CD)を現場に持参しましょう。
持ち込みの音響機器を使用する
再生機器からアンプ、出力用のスピーカーまですべて自校で持ち込む場合は、
打ち合わせ会の舞台平面図にスピーカー等の設置位置を記入し申告して下さい。
その設置も仕込み/バラシ時間に含まれるので注意してください。
音源+再生機器は自校で持ち込み、ホールのミキサーに接続する学校は多いでしょう。
コネクターの形状に注意して下さい。(ホールの方で複数種類を用意してくれていることが多いと思いますが。)
サンプラー ROLAND SP-404SX には、上部にLINE-OUT用のRCA端子(赤白)があります。
いわゆる「デッキ」にはたいてい、背面にRCA端子があります。
ラジカセ・携帯プレーヤーを接続する場合、LINE-OUT(RCA端子)がないことが多いので、
ヘッドホンを接続するための「PHONE」端子から出力することになります。
両端が[フォーン端子]←→[RCA端子]となっている音響ケーブルが必要です。
PC、タブレット、iPodなどを接続する場合も同様です。
持ち込み機材をミキサーに接続する時は、双方電源オフ、音量ゼロの状態で行って下さい。
ミキサー・アンプ・スピーカー
大会では、[ミキサー]→[アンプ]→[スピーカー]までの機材はひと通り共通仕込みでセットされます。
基本的には各校ともそれを使うことになるでしょう。
自前のミキサーを持っておらず普段は使わない学校は、リハ―サルでしっかり使用法を練習してください。
プロセニアム・スピーカー
一般的な劇場・多目的ホールは、舞台を一枚の絵画と見立てた時、それを囲う額縁に相当する
「プロセニアム・アーチ」と呼ばれる構造を持っています。
プロセニアム・アーチ上部には、客席に向かって音響を出力する壁面埋め込みスピーカーが設置されていることが多く、これを「プロセニアム・スピーカー」と呼びます。
舞台の左右にあるものを「(プロセニアム)サイド・スピーカー」と言います。
ホール上演の音響操作は、基本的にはプロセニアムスピーカーからの出力を考えます。
群馬会館のプロセニアム・アーチ(▛▜の形)
(赤丸の中がサイド・スピーカー)
返しスピーカー
大会では、演者が音響の出力を聞くための「返し」スピーカー
(跳ね返りスピーカー、モニタースピーカーとも)が両袖に設置されています。
逆に言えば、舞台上の役者は、客席に音響がどう響いているか正確にはわかりません。
リハ―サルの音響チェックでは、聞こえ具合を舞台の役者に聞くのではなく、
必ず客席(中央付近)で確認する人を用意しましょう。
転がしスピーカー
プロセニアム・スピーカーから出る音の左右バランスを調整すれば、ある程度は音を上手側から/下手側から聞こえるように工夫することができますが、その効果は大雑把なレベルにとどまります。
許可が得られればですが、舞台上に(小さな)スピーカーを別途設置することも可能です。
床に直接置く場合「転がし」などと呼ぶことが多いです。
例えば、「舞台下手側の机の引き出しの中に実は目覚まし時計が入っていて、突然なり出す」といった演出効果を狙うのに、引き出しの中、あるいは机の後ろ(下手奥)にスピーカーを設置し、そこからだけ音響を流す、といったことも技術的には可能です。それによって得られる"臨場感"は桁違いでしょう。
舞台上にスピーカーを仕込む場合は、舞台平面図に書き込みます。