大会での上演 照明      

照明の種類
高校演劇で使用することの多い照明は、以下の通りです。
基本的な名称・用語は覚えましょう。


地明かり
舞台の真上から床、舞台装置全体を照らします。
県大会では、共通仕込みとして、
・上手、中央、下手の3回路に分ける
・白色光(W)だけでなく、青(B)・赤(R)の地明かりも仕込む
とすることが多いです。
青色の地明かり
夜、暗い室内、水中などを表現するのに使います。
赤色の地明かり
夕暮れ、火事、空襲のシーンなどに使います。 地明かり、前明かり、ホリゾントまですべて真っ赤にしてしまうと、相当強烈な印象になります。 ほどほどに。

前明かり
客席側上部から舞台上を狙って照らします。
役者が緞帳の位置より前で演技すると、地明かりが役者の背後からしか照らせないので、 前明かりがないと身体全体が真っ暗(シルエット)になってしまいます。

群馬会館 左がFR 右がCL

シーリングライト(CL)
文字通り、天井から舞台上を狙います。 近年の県大会の共通仕込みでは、地明かりの分割に合わせて上手・中央・下手に3分割としています。
1本だけ独立させて、特定の大道具を狙ったり、トップサス等と組み合わせて使うこともあります(後述)。
光源の位置・角度の関係で、フロントサイドライト(FR)と比べると、舞台奥まで光が届き、ホリゾント幕に干渉しやすいかもしれません。

フロントサイドライト(FR)
プロセニアムの横、側面の壁上方から舞台上を狙います。
通常、1列2~3灯×複数列あり、各列は独立した回路として切り替えて点灯できます。 光源の位置が舞台の左右なので、シーリングライト(CL)と比べると、 上手からだけ/下手からだけという方向性を演出することが可能です。 (上手・下手が別回路で仕込んであればですが)
白色(W)での使用のほか、カラーフィルターを入れた列を作って様々な効果を出すことができます。 CLに色を入れることも可能ですが、天井までいかないとカラーフィルターの交換ができません。 コンクール等、合同公演では短い幕間で色交換をするのは大変なので、 FRだけ色替え可とすることが多いようです。

ブッチガイ(ブッチ)/ナナメ
地明かりは、舞台の上から装置全体を照らします。 前明かりは、人物のしぐさと表情を浮かび上がらせます。
ブッチガイ(赤矢印)はこれに対して、照明バトンの両端高い位置から斜め下に向けて狙い、 地明かりと前明かりの隙間を埋めて、その補助をします。
狙いを絞って、舞台奥の構造物等には光を当てずに中央付近の人物だけを浮かび上がらせたり、 上手/下手の光量を調整して、独特の陰影を付ける演出も可能です。
(斜め)上から照らすので、後述のステージサイドスポット(青矢印)に比べると、役者の立ち位置がらみの影が出来にくい照明です。


ステージサイドスポット(SS)
舞台袖から水平方向に照らします。
人間だけを舞台上に浮かび上がらせるような効果も可能です。("床を嫌う"当て方)
一方で、舞台上の役者の影が他の役者に当たりやすく、役者の立ち位置に工夫が必要です。

顔~身体の側面が効果的に照らされています