大会での上演 リハーサル   

はじめに
劇場・ホールでの大会・合同発表会に参加する場合は、必ず一定の手順に従ったリハーサルを行います。
リハーサルを無事に完了することは、上演の成功にとって非常に、非常に、非常に重要です。
大会、会場の方針によって細かい違いはあるものの、だいたい同じような流れで進行します。
以降は、例として群馬会館で推奨する「HOW TO リハーサル」に従って説明します。

(1) 建て込み 舞台装置の設置・音響の設置
大道具を運び込み、舞台装置の位置を確定します。
これが決まらないと照明のシュートができません。
大道具の位置が決まったらバミります。
複数の学校で舞台を共用します。バミリテープは必要最小限になるよう、工夫しましょう。
照明室に入った人は、色作りや照明の練習が早くしたいことと思いますが、大道具の設置中は、作業灯を消さないで下さい。
音響は、会館の設備を借りて使用する場合は問題ありませんが、 ミキサーや音源(デッキ、ラジカセ、サンプラーなど)を持ち込んで会館のアンプに接続する場合は、 スタッフの方の指示を受けながら機材を接続します。

(2) 袖幕の位置決め
忘れがちですが、舞台空間のイメージに合わせて袖幕を適切な位置までせめます。
前の出場校が変えているかもしれないので、必ず自校の最適位置を確認します。
位置が決まったら、必要に応じて床またはロープにバミります。

(3) 照明のシュート
装置や人の立ち位置を決めた後、実際に照明を当てます。
初案で当ててみた後、光の丸の大きさ、角度を調整します。
役者の立ち位置が決まったら、必要に応じてバミります。
これが終わらないと照明の「シーン」作りが始められません。

(4) 色作り 各シーンの照明作り
各シーンの照明の色、明るさ等をキューごとに確認してゆきます。
あらかじめ見当をつけておいた光量でまずは作り、微調整をします。
マニュアル操作の調光卓を使用する場合は、実際に確定した光量をキューシートなどにメモしてゆきます。
あまり細かくメモしても完璧には再現できないので、0~10段階程度に区別してメモすることが多いようです。
プログラム(打ち込み)で操作するなら、確定したキューを順次記憶してゆきます。
暗転もひとつのキューに数えるなど、プログラムにはプログラムのノウハウがあります。
おそらくこれが一番時間を食う作業です。あまりこだわりすぎると、きっかけ合わせの時間がなくなります。

(5) 音出し BGM、SEの音量調整
照明の色作りと並行してできます。
上演で使う音響(BGMやSE)の音量を確認します。
ホールごとに機械が違うので、可能な限りすべての音について一度出力してみて、聞こえ具合を確認します。
IN(聞こえ始め)~MAX(最大音量)~OUT(最後の音量)を確認します。
役者の音にかぶせる所は実際に声を出してもらい、かぶせて確認します。
出力レベルが確認できたら音響台本・キューシート等にメモしてゆきます。

(6) きっかけ合わせ
装置、音響、照明が確定したら、それが連動する様子を実際にやってみます。
開演、終演のシーンは必ずやりましょう。
多くの場合、緞帳の操作は会館スタッフが行い、生徒はそのキュー出しをする形です。
時間は限られているので、確認する必要度の高いシーンをあらかじめいくつか決めておきます。
また、主催者・会館スタッフから確認を求められたシーンは必ずやりましょう。
きっかけ合わせは持ち時間のギリギリまでやらず、リハーサル終了の5分前ぐらいまでに終えます。
時間が許せば、本番通りのゲネ・プロができるのがベストです。

(7) バラシ 片付け~撤収
次の学校に舞台を明け渡すため、舞台装置の撤収と片づけ(バラシ)、そうじなどを行います。 きっかけ合わせはリハ終了5分前くらいまでには終わらせましょう。
必要なバミリがすべてできているか確認します。
蓄光テープは他校の上演の邪魔になります。リハ終了時にはがしておき、本番直前に貼り直します。
舞台上、袖、楽屋などに忘れ物がないか確認します。
照明係は、自校のリハーサルが終了したら必ず客電と作業灯をつけた状態に戻して退室します。

参考:≪リハ―サル進行シート≫(Word形式)

円滑なリハ―サルのために
リハ―サルは時間との戦いです。時間の経過(消費)を管理する係を必ず置きましょう。 舞台監督がいる学校では、舞台監督がその役割を担います。
リハーサルでは、あらかじめ決められた所作を行う演劇上演と違って、各人がバラバラに舞台上を動き回ることもあります。 そういう時ほど、「舞台上の心得」を意識しましょう。
その中でも特に重要なのは「返事」です。返事待ちによる時間の浪費がいちばん勿体無い。