大会での上演 舞台上の心得  

舞台上には、演劇特有の約束事や不文律、決まりごとがいろいろとあるものです。
高校演劇ローカルにおいて共通の認識となっている事柄を中心に取り上げます。

舞台上の行動
靴はできればスニーカーなどゴム底のものが良。静かだし、すべらない。
白木の舞台・平台の上を裸足で歩くときは、ささくれに注意します。
舞台上はとにかく走らない。焦る気持ちは事故を誘発します。 ケーブルを引っ掛けたり、重い照明を蹴飛ばしたり、尖ったものを踏み抜いたりで、大けがをします。
リハーサル時に客席を移動する時も走らずに。
舞台最前面の框(かまち)に足をかけて客席に飛び降りたり、客席から飛び乗ったりしない。
白木の舞台に許可なくガムテープを貼るのもNGです。

幕について
基本的に、「幕には触れない」ように心がけます。手でも、大道具・小道具でも。
多くの場合、劇場の袖幕類は大きな一枚布です。汚したり、破損したりしたら損害は大変なことになります。 許可なく触らない習慣をつけているのが一番です。
大道具の搬出入の時に、大きなパネル等で引っかけてしまうことも多いので細心の注意を。

あいさつ・返事
ホールでの演劇は、施設の舞台スタッフが専門的な仕事をしてくれて初めて成立します。 関わってくれている人すべてに対して、感謝の気持ちをこめて、元気にあいさつをしましょう。
舞台上は、実は危険がいっぱい。降りてくるバトンや緞帳が頭に当たればけがをします。 大道具や灯体が倒れてくるかもしれません。あなたが作業の進行を止めてるかもしれません。 どこからでも、誰からでも、声がかかったら必ず反応! 飛び交う声に常に耳を傾け、必ず返事をしましょう。
黙っているのがいちばんダメ。 わからなかった時は「もう一度お願いします」、 まだの時は「まだです」、 待ってほしい時は「待って下さい」と答えればいよいのです。

バミリテープ
大会では、複数の学校が舞台を共有します。 リハーサルで確認した大道具、照明の当たり位置はバミリテープで印をしておきます。 テープの大きさと量は最小限にとどめましょう。 多くの学校が多量のバミリテープを床に貼ると、床がお花畑のようになってしまいます。
・市販のビニールテープ(幅19mm)を半分に切って、9mm×3cm幅くらいでもよい。
・連続するパネルは、両端(とせいぜい中に1ヶ所)バミれば置ける。
・机、イスなど四角いものは、2ヶ所バミれば置ける。L字にする必要もない。
・明るい時にアバウトに置けばいいものは、バミる必要がない。
袖幕、中割幕、吊り物バトン等の綱にもバミリテープを貼ることができます。 リハーサルで幕のせめ具合やバトンの高さが決まったら、左右の綱の同じ高さの所にテープを巻きます。

こうすることで、袖幕が芝居中に動いたり、他校の上演で動かされたりしても、 テープの高さを合わせることで希望の位置に戻すことができます。

蓄光テープ

暗転中の大道具小道具配置、役者の板付き等の目印、段差の把握……といったことのために、 床や道具に蓄光テープを貼って構いません。
便利ですが、貼りすぎると暗転中の舞台床などが星空のようになるので、数は必要最小限に。
かなり小さくても見えます。豆粒程度の大きさで大丈夫です。
他校の上演に迷惑となるので、リハーサル時に貼った蓄光テープは必ず取り除き、 本番直前に再び貼りましょう。

スモークマシン
機種によっては消防署に届け出する必要があるので、ホールとの打ち合わせ時に仕様書を持参するのがよい。
ROSCO社製のものは届け出不要のようです。群馬県演劇部会も2台所有しています。 群馬県内の学校でコンクール、校内公演等で使用したい学校は、事務局まで申し出て下さい。

裸火(はだかび)
舞台上で本当に火を使うことを「裸火」「本火」などと言います。
消防署に届け出する必要があるので、ホールとの打ち合わせ時に必ず申告します。
いわゆる炎があがる場合だけでなく、
・タバコ(高校生は吸わないでしょうが……)
・ろうそく、線香
・パーンと音が出るピストル、クラッカー(火薬が発火するもの)
などはすべて届け出の対象です。
本火は絶対禁止と決めている大会、ホールもあります。 その場合は、電球などで道具を作って代用します。 かがり火やたき火の炎は、赤い布+小さな照明+送風機で擬似的に表現する方法もあります。

本水
舞台上で本当に水などの液体を使うことを「本水」などと言います。
ホールとの打ち合わせ時に必ず申告します。本水禁止のホールもあります。
本水を使う場合は、使う場所でこぼれても床を濡らさないよう養生処理をします。 (ビニールシートを敷くなど。)シャボン玉も同様に考えて下さい。

消えものなど
劇で使用する小道具のうち、舞台上で実際に食べてなくなる食べ物・飲み物、演技中に壊すもの、 日持ちの悪い生花など、公演ごとに消耗するものを「消えもの」と呼びます。
本当の飲食を伴う演技、本当に物を壊す演技、自転車など重くて固いものをを荒々しく蹴り倒す演技などは、 床を汚したり傷付けたりすることもあるので、ホールとの打ち合わせ時に必ず申告します。
使う場所で床を汚さないよう養生処理をします(ビニールシートを敷くなど。)