舞台美術の基本③       

パネルと人形立て
舞台上に「室内」、屋外の「壁」を作るのに、いわゆる「パネル」(張り物)を使う学校が多いと思います。
一度作れば何度でも使い回せるので、伝統ある演劇部は、すでに何枚か持っているでしょう。
(歌舞伎では、平面に室内を描いた「書き割り」、風景を描いた「遠見」が多用されますが、 高校演劇ではあまり盛んではないようです。)

「人形立て」は、パネル類を垂直に立てるための道具です。
会館の付属品としてあることも多く、あれば借りることもできます。 立て木の長さは、3尺、6尺、9尺などです。

パネルは、人形立てを使って垂直に立てて使用します。

B型クランプでパネル間を締め付けて固定する

人形立てにシズ(鎮)を載せる

パネルと人形立てを作る
輸送や搬出入の都合上、パネルは分割できるように作製します。
大きなベニヤ板がサブロク(91cm×182cm)で販売されていることもあり、 サブロクかロクロクのパネルを作製する学校が多いでしょう。
運搬、設置が可能であれば上にあと2尺(約60cm)足して8尺(約240cm)にできるとなお良し。

  6尺のパネルを建てた例

  8尺のパネルを建てた例

まっすぐな角材を購入してください。 パネルがゆがんでいると、美しい大道具を建てこむことができません。


人形立ては、五寸釘または長い木ねじでパネルに固定することが多いので、 何度か釘を打ったり抜いたりしても簡単に割れないよう、 十分に太いものを使用します。



固定の強度と搬出入の時間短縮を両立させるため、 パネルと人形立てを蝶番(ちょうつがい)で固定しまう作り方もあります。