音響の基本③         

ステレオとモノラル



ステレオ音声
左右のスピーカー(イヤホン)から別の音が出る

ステレオ音声は、左右2トラックの信号を処理します。
R(右)=赤、L(左)=白 or 黒 で区別します。
音響機器を接続する時、RとLを間違えると、左右の出力が逆になってしまいます。
※劇場では R=上手 L=下手 です。
市販のCDや、PCで扱う音声データファイルは通常、ステレオ録音のデータです (音源自体がモノラルで録音されたデータは除く)。
マイクで録音する時も「ステレオマイク」を使わないと奥行きのある音が録音できません。 市販のハンディビデオカメラにもステレオマイクが内蔵されています。

モノラル音声
ひとつのスピーカーから出る音
左右のスピーカー(イヤホン)から全く同じ音が出る

ワイヤレスマイクやケーブルマイク、エレキギターなどの信号はモノラルデータです。
古いレコードやカセットテープには、モノラル録音のものがあります。 それらは、たとえステレオ対応の機器・メディアで録音/再生しても、 同じ音がRとLに録音され、再生されるだけですから、ステレオとして聞こえません。

音響のケーブル
音響用のコードにも、一本でステレオ=R・Lの2系統の信号が流れるものと、 モノラル=1系統の信号が流れるものとがあります。機器の接続については注意して下さい。
コードの先端=コネクターの形状で、ステレオなのかモノラルなのか区別できます。

ステレオ
・ヘッドの金属部分が3分割されたフォーン端子(標準ピン、ミニピン)
・RCA(赤、白に分かれたステレオ入出力端子)
両耳タイプのヘッドホン端子、ミキサー・アンプ(付きスピーカー)への接続などに使われます。


モノラル
・ヘッドの金属部分が2分割されたフォーン端子(標準ピン、ミニピン)
片耳タイプのイヤホン端子、マイク・楽器の接続などに使われます。
・XLRタイプコネクター(いわゆる「キャノン端子」)
マイクの出力、アンプ→スピーカーの接続などに使われます。
(ノイズに強い「バランス接続」のケーブルに使われる)
・スピコンタイプコネクター
(高出力)パワーアンプ→スピーカーの接続に使われます。


抵抗入りケーブルについて
ラジカセや、PCにある「MIC」端子(場合によってはMIXING端子)は、 LINE-OUT からの出力よりさらに微弱なマイク出力を受け付ける端子です。
形状が多くの場合ミニピンジャックなので、 [ミニピン]―[ミニピン]のケーブルで再生機のPHONE端子と接続できてしまいますが、 いきなり大音量を流し込むと、最悪の場合、入力側の回路が故障します。
再生機器からのPHONE出力を、MIC端子しか持たないラジカセやPCに流し込む処理 (例えば、2台のラジカセを使ってカセットテープのダビングをするような作業) のため、「抵抗入りケーブル」が市販されています。
コネクタのどちらかに「 ˄˄˄˄ 」という印が刻印されていて区別できる場合がありますが、 見た目では抵抗なし/抵抗入りを区別できないことも多いものです。
このケーブルは入力信号をわざと減衰させるわけですから、間違って LINE-OUT → LINE-IN の接続に使うと、 再生側のボリュームを上げても入力音声が小さくなります。
購入時、また、昔からあるケーブルを使う時にも注意してください。