上演台本作り         

戯曲形式
演劇の脚本・台本は「戯曲形式」で書かれています。
高校演劇の作品は、諸事情からほとんどの場合において「一幕もの」になると考えられるので、 ここでは一幕ものの体裁を示します。 (単独での自主公演であれば、二幕もの、三幕ものの大作であっても構いませんよ!)
①タイトル
②作者名
③登場人物一覧
④各場面の記述
・柱書き ~場面番号の指定(「第○場」「Scene ○」など)
      +場面が始まるときの時・場所・板付きの指示

・台詞  ~登場人物名+実際のセリフ
・ト書き ~台詞では表現できない役者の動き、照明・音響・装置の変化

⑤注記・参考文献 ~引用元を巻末にまとめておこう

レイアウト
市販の戯曲、ネット台本のプリントアウトをそのまま印刷したりする場合もあるでしょうが、 それに潤色または構成を加えたり、原作ものの脚色、ゼロからの創作をする場合はワープロ等で新しく作成することになると思います。
ここからは、上演台本を新しく書き起こす際に気を付けると良い点をまとめます。

縦書き?横書き?
決まりはありません。
出版されている戯曲の多くは、伝統的に縦書き表記となっています。 本Webサイト「群馬の高校演劇」の創作脚本ダウンロードサービスでも、縦書き表記としています。
英数字が多用される脚本であれば、横書きの方が書きやすく、読みやすい場合もあります。

余白
縦書き表記にする場合、各ページの上下に多めの余白を設定しましょう。
豊富な余白は、役者のメモ欄になります。 また、上部の余白は、音響台本・照明台本にする時にキューを書き込むスペースとなります。


音響台本の書き込み例

台詞とト書き
台詞の部分は、
[人物名]+[空白]+[台詞の言葉]   
という形で表現します。
名前の下(後)、台詞の部分に鍵括弧 「 」 を付けるのは映画・ドラマのシナリオの文化で、 演劇の台本では通常付けません。
ト書きは、台詞の行と区別をするため、字下げをするか、フォントの種類を変えます。

上演許可について
演劇以外の著作物を脚本に書き起こした場合(脚色)、 既成の脚本に改変(翻案、潤色、構成変更)を加えた場合は、 可能であれば原作者/作者に最新の上演台本を送付した上で上演許可を得て下さい。