舞台美術の基本②       

舞台の世界は尺貫法
舞台関係では、今でも尺貫法が多用されます。
最低限、下記は覚えて下さい。
 1寸=約 3.03cm
 1尺=約 30.3cm(10寸)
 3尺=約 90.9cm
 6尺=約 1.82m=1間(けん)

ベニヤ板が[91cm×91cm]とか[91cm×182cm]という規格なのは、3尺×3尺、3尺×6尺だからです。 畳1枚も3尺×6尺です。この大きさをサブロクと呼びます。 畳2枚分(3尺+3尺)×6尺でロクロク( 1.82m×1.82m=約3.3m2 でいわゆる「1坪」)
劇場でもらえる舞台平面図には升目状の線が引かれていますが、これは「一間マス」といい、1.8m間隔で引かれている線です。 正方形ひとつがロクロクの大きさ(畳2枚分)となります。
学校の教室も、引き戸、窓、床のタイル等、ほとんどが約30cmの倍数の寸法になっています。


舞台平面図の例(安中市文化センター)

平台と足
たいていの劇場には、施設付属品として何枚もの「平台」があります。
劇場にある平台の規格は通常、ニロク(2×6尺)、サブロク(3×6尺)、シロク(4×6尺)、 ロクロク(6×6尺)です。高さ(厚み)は通常4寸=約12cm。


これに「足」を付けて高さを出し、舞台上に高さの違いを作ったりすることができます。
出すべき高さに応じて、何種類かの「足」があります。

・開き足…高足=2尺4寸=72cm 中足=1尺7寸=51cm
(常足=1尺高 もありますが、箱足で代用可能)
・箱足(箱馬)…一般に6寸×1尺×1尺6寸の大きさ
・木足……3寸×3寸×3尺ほど。材木を切ったものです。

平台+高足=4寸+2尺4寸=84cm(二尺八寸高)
平台+中足=4寸+1尺7寸=63cm(二尺一寸高)
平台+箱足=4寸+1尺6寸=60cm(二尺高)
平台+常足=4寸+1尺=42cm高(尺四高)
平台+箱足=4寸+1尺=42cm高(尺四高)
平台+箱足=4寸+6寸=30cm高(尺高)
平台+木足=4寸+3寸=21cm高(七寸高)



高さを出した平台の前や側面には、通常「蹴込み(けこみ)」と呼ぶ板を立てます。 ホールに用意されていることが多いですが、灰色等に塗られた一枚板です。 装飾を施したりする関係で、自校で用意することもあります。
開き足で組んだ平台の前部を薄布を垂らす程度にすると、ホリゾントライト使用時に透けて見えたりします。

平台を組んで高さを出したところに走り込んだり飛び乗ったりするような演技がある場合は、かなり頑丈に固定する必要があります。 平台へ「釘打ち可」かどうかについては、劇場によって異なります。打合会などで確認して下さい。