音響の基本②         

音響の仕組み(音が出るまで)
音響が舞台上に流れるには、通常、下記の経路となります。


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音源(記録メディア)
音の発生源を音源といいます。
転じて、(厳密には再生機器にセットしなければ実際の"音"が発生しない) 音声が記録されたCD・レコード・音声データファイル等も「音源」と呼びます。

・オリジナル音源
自作の楽曲・音声を録音したCD/MD/音声データファイル
購入したCD/レコード
課金したダウンロード楽曲の現物

・複製/コピー
上記オリジナル音源を、別の媒体に複製したもの。
媒体~SDカード/USBメモリ/PCのドライブ
   サンプラー/携帯プレイヤー/スマホ
大会では音源リストの提出と、音源所持チェックがあります。 オリジナル音源を所有していることをもって、著作権に配慮していると認められます。
YouTube等動画サイトの動画から音楽だけ抜き出して使うことも技術的には簡単になりました。 しかしながら、ネットで手に入れた楽曲は著作権上問題がある可能性もあります。 著作権 のページも併せて参照して下さい。

再生機器
楽曲を電気信号に変換して出力する機材を、ここでは「再生機器」と呼びます。
デッキ,プレーヤー
CDなど音源(記録媒体)に記録されたデータを読み取って、音声信号を出力する機器です。
携帯プレーヤー(iPod・WALKMANなど)は内部メモリに保存されたデータを出力する機器です。
サンプラー
音声データを内部メモリに録音(サンプリング)し、パッドを"叩く"ことによって瞬時に再生する機械です。
使い勝手の良さから、Roland社 SP-404SX が人気です。
音声データは内蔵SDカードにWAV形式で記録されています。
音声データは、
・内蔵マイク/接続したマイクからの録音
・LINE-IN 経由の録音
・SDカード経由の「インポート」
のいずれかによって、本体に登録します。

PC,タブレット,スマホ
コンピュータは、PCのCD/DVDドライブを「プレーヤー」として利用できるほか、
・ディスクドライブ(HDD,SSD)
・USBメモリ(外付けディスクドライブ)
・内部ストレージ,外部ストレージ(SDカード)
に保存された音楽データを再生し出力する機能を備えています。
高性能の サンプラーアプリ を利用することが可能です。

LINE-OUT と PHONE の違い
再生機器の音声出力端子には、大きく分けて二種類あります。

・PHONE~ヘッドホンで音を聞くための端子
ラジカセ、携帯プレーヤー、ノートPC、タブレット、スマホからの出力は、PHONE OUT を利用します。
形状は、多くの場合フォーン端子(ミニピン)となっているでしょう。
ミキサー、サンプラーの「モニター」出力(標準ピン)も PHONE 端子の一種です。 ヘッドホンを接続できるということは「豆粒大のスピーカーを鳴らす」程度には強い出力があるということ。
最大音量まで上げるとLINE-OUTからの出力信号よりかなり強いので、 ミキサー等のLINE-INにPHONE端子からの信号を流し込むには、音量をよく調整する必要があります。 (接続後の音出しは、音量ゼロからだんだん上げていってください)

・LINE-OUT~ミキサーやアンプに信号を送るための端子
デッキ、コンパクトプレーヤー、サンプラー、ミキサーのメイン出力。
再生機器 LINE-OUT から ミキサー LINE-IN への接続であれば、 あまり細かいことを考慮する必要なく安心して接続できます。
大きなスピーカーを鳴らせる出力ではないので、(端子の形状が合ったとしても) LINE-OUT にヘッドホンを接続して耳で聞いてもほとんど聞こえません。
(LINE-OUT出力をヘッドホンで聞く「ヘッドホンアンプ」という機器もあります)
同程度の強さの出力であれば、PHONE出力より音質が良いとされます。

PHONE 及び LINE-OUT の出力は ステレオ音声 です。 端子の形状は、RCA端子(赤白)、時にPHONE端子(ピン)と同じ形。



いずれにしても再生機器が出力する電気信号は微弱で、 大きなスピーカー(パッシブスピーカー)を振動させるパワーはありません。 大きなスピーカーを動かすには、アンプ(増幅器)を通すことが必要です。

マイク,楽器
生音を拾うマイクやエレキギターも音声信号を出力します。
LINE-OUTよりさらに微弱な出力信号となります。
(ミキサーへの入力は「MIC」端子への接続になります)
マイクの出力は モノラル音声 です。 出力端子は、標準フォーン端子またはXLR端子(キャノン端子)となります。



ミキサー
ミキサーは、複数音源の電気信号を取り込み「ミキシング」を行う機器です。
複雑な操作をしないのであれば、再生機器とアンプ+スピーカーを直結しても構いません。 (音量調整は再生機器側で行う)
教室公演ではその仕込みですませる学校も多いと思います。
大会等ホールでの上演では、共通仕込みとして音響ミキサーが用意されています。

 
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再生機器とアンプ+スピーカーとの間にミキサーをかませれば、本格的な音量制御をすることができます。
複数音源を用いてのクロスフェードも簡単に実現できます。

アンプ(増幅器)とスピーカー
電気信号を、実際に耳で聞くための「音」にするのがスピーカーです。
再生機器の出力信号はパワーが微弱で、せいぜいヘッドホン程度しか鳴らすことができません。
劇場の壁面スピーカーや大きなスピーカー(パッシブスピーカー)を動かすためには、 「アンプ」を通して電気信号を増幅しています。
大会等ホールでの上演では、アンプは共通仕込みとして用意されています。
教室公演でミキサーを利用したい場合は、アンプとスピーカーの仕込みまで考えねばなりません。

アンプ付きスピーカー(アクティブスピーカー)
PCやスマホの音楽を大きく再生するため、アンプ機能を内蔵しているスピーカーがあります。 再生機器とアンプ付きスピーカーを直結すれば、それだけで大きな音を流すことができます。
アンプ付きスピーカーは、大きな音を作るパワーを供給する電源コードが付いているか、 電池/バッテリーが必要となります。


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パワードミキサー
ミキサーとアンプが一体となっている機器をパワードミキサーといいます。
パワードミキサーから直接、高出力のスピーカー(パッシブスピーカー)に接続します。 接続ケーブルもアンプ→スピーカー専用の端子(スピコン)になります。


スピコン端子(Wikipediaより借用)

ラジカセ・コンポ
CD等を読み取る装置からスピーカーまでが一体となったラジカセは、 実はデータ再生→増幅→スピーカー機能をすべて内蔵する優れモノであるとも言えます。 単純な音響操作、教室公演程度であれば、ラジカセ/コンポひとつで間に合います。