著作権について        

はじめに
高校演劇でも「著作権」に対する配慮が厳しく求められるようになってきました。
特にコンクール形式の大会では、権利者に対して許可を得ていることが証明できない作品は審査対象外となったり、 上演自体認められない場合もあります(実際、ありました)。
せっかく積み上げてきた稽古、装置・衣装作りほか様々な努力がムダになってしまうのでは悔やんでも悔やみきれません。著作権の尊重については軽く考えず、各校とも十分に注意して下さい。

 全国高演協・著作権ガイドライン
   ※ 全国高演協のページに移動します。
 著作権関係調査シート(Excel形式)
   ※ 県大会で使用するチェックシートです。

高校演劇における台本の区分
全国大会の上演区分は以下の通りです。関東大会、県大会等でもおおむねそれに準じます。

既成:作品を改変せずにそのまま上演
60分を超える作品を60分に収める改変は「潤色」に区分されます。

潤色:脚本を改変して上演する
シーン、台詞のカット(時間短縮のためも含め) 結末等、内容の変更(例:ラストで主人公が死ぬ→生きているかもしれないと示唆する)
台詞の変更(方言の変更なども含む)
登場人物の増減、年齢・性別・国籍等の変更
設定の変更(例:教室→屋上へ変更など)

構成:既成の脚本をもとに、潤色に該当する改変はせず、場面の順番を入れ替えたり、一部を削除したりする切り貼りについては「構成」という表記を使います。

創作:当該校の現役顧問・現役部員が書いた脚本
しかも、未発表の作品に限ります。
卒業生や転勤した顧問の「書きおろし」は、外部から提供という解釈になり「既成」作品扱いになります。
オリジナル作品かどうかより、「本年度の創作脚本賞の対象とするか」という観点での区別と考えたほうがわかりやすいでしょう。

脚色:演劇以外の著作物を脚本化
小説、マンガ、映画といった演劇以外の形で発表された著作物を演劇化することは「脚色」と呼びます。 高校演劇の世界では「既成」作品扱いとなり、原作者から脚本化と上演の許可を得ることが必要です。
戯曲化による「創作」性が認められる場合、創作脚本賞の対象となります。
神話、古典、民間伝承などの脚本化
これらは明確な原作者が存在しませんが、「脚色」の一種とされます。 上演許可を取るべき対象(作者)が存在しないわけですから許可の手続き自体は不要ですが、 既存の物語構造を借りた脚本であることを明示し、「原作○○より、脚色〔脚本を書いた人〕」 などと表示します。創作脚本賞の対象になり得ます。

翻案:筋は変わらないが舞台設定などを変更
すでに脚本が存在している演劇作品を使って、ストーリーは変えずに、舞台設定の変更を行った場合、「翻案」扱いとします。
例:舞台はアメリカ→日本とする
例:江戸時代という設定→現代ものとする
「新たな」劇を創るという意味で、創作脚本賞の対象になり得ます。

音響について
JASRACとの関係
音楽著作物の多くはJASRACによってかなり厳正に著作者の権利を守られています。
BGM、効果音などを購入した「音源」から直接出力してホールに流すことは問題ありません。
(音源=購入した音楽CD・レコード等、課金ダウンロードした曲を最初に保存したパソコン上のデータ)
音源を、MD、CD-R、WALKMANやiPod等の携帯プレーヤー、サンプラー、 PCやタブレットなどにコピーしたものは「複製」といい、 本来は「個人で聴いて楽しむ」以外の利用を禁じられています。
ただし、高校演劇には教育活動という側面も考慮され、
入場料無料の公演である
音源の実物を持っている(音響席の傍らにある)
音響リストで各曲を何秒間流すか一覧化されている
という条件を満たせば、複製した音楽データを用いて音響を流してよいとされています。
※JASRACとの(非公式の)申合せによる。
「コピーした『複製』は『音源』と見なされないため、大会(コンクール)等では直接ホールに流せない」 という見解が平成20年度の全国高演協理事会で確認されました。

YouTubeほかインターネット上の動画で使用されている音声の二次使用は控えてください。

替え歌の問題
いわゆる「替え歌」については、作詞者の「著作人格権(同一性の保持)」に対して問題が発生した事例があります。
劇中で、ある歌について歌詞を変えて歌うことが必要な場合は、著作権を持つ人(作詞者など)に対してあらかじめ許諾を得る必要があります。

アレンジ(編曲)の問題
譜面を元にして、ステージ上で生演奏をしたりDTMを作成して使用する場合、 原曲にアレンジを加えて編曲をしたことで「著作人格権(同一性の保持)」に対して問題が発生した事例があります。
アレンジが必要な場合は、著作権を持つ人(作曲者、オリジナルの編曲者など)に対してあらかじめ許諾を得る必要があります。

ダンスの振り付けについて
創意・オリジナリティあふれるダンスの振り付けには著作権(に類似する権利)があります。
明らかに「元ネタ」が想起されるような振り付けを原曲意外の音楽、別の舞台作品の場面に借用する場合は、 相応の許可を得るべきかと思います。
過去に、実際に問題となった事例が発生しています。

舞台美術・照明等
舞台美術にも思想の表現としてオリジナリティを認めることができます。
既成作品の台本に具体的な指示があり、それをそのまま建て込む場合は「上演許可」があれば大丈夫ですが、 別の演劇作品で発表された個性的な舞台装置(の効果)を借用しようとしたり、意匠・アイディアを 借用しようとする場合は、権利者に対して許可を取ることが必要です。

舞台装置、小道具、衣装等に有名キャラクターやトレードマークを「手書き」で描いてはいけません。
購入したポスター等を壁に貼り付けたり、購入した商品を舞台上に置いたりするのは問題ありません。 (購入金額の中に、著作権者へ渡る分が課金されているため)

照明については、これまで問題となった事例を聞いたことはありませんが、照明家による創意/オリジナリティある舞台照明には著作権に類似の権利があると考えられます。 明らかに「元ネタ」が想起されるような照明効果を別作品で借用する場合は、相応の許可を得るべきかと思います。