校内公演で電源をとる     

教室を劇場に!

なぜ「電源」の話から?
演劇と電気の関係は意外に重要です。
音響・舞台照明には大きな電力を食う機材もあります。
劇場では、スタッフの方が仕込み、操作、安全管理に気を配ってくれるので安心ですが、 校内公演では、それらすべてを部員と顧問で注意しなければなりません。
・上演中に「ブレーカー」が落ちて芝居が台無しになった
・上演中にコードが焦げて火事になりかけた
・感電した
などの失敗、危険を避けるためにも「電気」に対する最低限の知識が必要です。
教室公演で音響・照明を仕込もうと考えている学校は、基本編 電気の話を読み、基礎知識の確認をしておいてください。

タコ足配線の危険(定格について)
コンセントや電源コードには、流せる電流の限界があり、 これを「定格電流」といいます。
家庭用のコンセントやコードのほとんどは、定格 10A ~ 15A 以内です。 限界を超えた電流が長時間流れ続けると、発熱してコードが溶け、ショートします。
教室公演では、タコ足配線をせざるを得ないかもしれません。 コードリール(ドラム)の使用を含め、電源コードとコンセントにかかる電流の合計を計算して、 くれぐれも定格電流をオーバーしないよう注意してください。

分電盤(ブレーカー)
通常の建物では、ひと部屋に合計20A以上の電流が一定時間以上流れると、安全装置「ブレーカー」が作動します。 (俗に、ブレーカーが「落ちる」と言います。)
ひとつの教室で1KW(1,000W)のスポットライトを2灯使うと、それだけで限度いっぱいです。

<事例>
教室公演で、1KWの照明2つ+音響機器(300W)を使用したい。
ひとつの教室内で電源を取ろうとすると、合計2KWを超えるのでブレーカーが落ちる。対応策は?
→教室内のコンセントに灯体1個+音響機器を接続する(1,300W)
→さらに、隣の教室からケーブルを引き回して灯体1個を接続する(1,000W)



普通教室の壁面の電源コンセントは「2教室で1系統」という場合があります。 廊下のコンセントと壁裏の教室とが同系統、というのもよくあることです。
どれとどれが1系統のコンセントなのか知るには、廊下の壁にある「分電盤」を調べます。
「分電盤」の位置は覚えておきましょう。
「分電盤」は多くの場合鍵付き扉ですが、 公演中はすぐに扉を開けることができるようにしておきましょう。 うっかりブレーカーを落としてしまった時、すぐに対応するためです。


廊下の壁にある分電盤と、その中にあるブレーカー。
1-4は1教室だけで20Aだが、1-5と1-6は2教室で合計20Aまでとわかる。




容量オーバーを心配して、廊下や隣の教室から延長コードを使って電源を引っ張ってきたが、 結局1系統だった、ということもあり得ます。注意!



冬場の公演では、電器ヒーターなどの暖房器具を接続するかもしれません。特に要注意です。