音響の基本④         

アナログとデジタル
アナログ
音の強弱や高低を、磁力/電流の強弱で記録・伝達すること。
カセットテープ(磁気テープ)はアナログデータです。
CDやUSBメモリの音楽(デジタルデータ)を再生している時でも、再生機器から先の出力はアナログ信号です。


デジタル
音の強弱や高低を数値化した「情報」として記録・伝達すること。
音を鳴らす時はその数値を解釈する装置で音の強弱高低に逆変換します。
CD、MD、DVD、iPodやUSBメモリに記録されている音声の中身はデジタルデータです。
インターネットからPC等にダウンロードする音声はデジタルデータです。

録音・コピーと劣化
アナログデータを”コピー”する場合、記録→再生→記録→再生……の過程で機械ごとのクセ、物理的なノイズの混入などによって、完全にオリジナル通りのコピーは作れません。 わずかずつですが音質が劣化してゆきます。 (ゼロックス複写機でコピーの再コピーを繰り返してゆくと、次第に線がぼやけてゆくのと同じです。)
一方、デジタルデータは数字の集まりなので、理論上は劣化なしのコピーを繰り返すことが可能です。(そのため、デジタルコンテンツには著作権保護などのために強力な「コピーガード」機能が付いています。)


CD、DVDの中身、iPodの中の音声データファイルそれ自体はデジタルデータですが、音響データを作る時、デジタルのつもりで編集していても実際にはそうでないかもしれません。


(クリック/タップで拡大します)

CD、DVD等の複製
音声データファイルのコピー
サンプラーへのデジタルコピー
CD、DVDを「焼く」作業は完全な複製を作る作業です。
iTunesからiPodへ音楽を取り込む作業は、デジタルコピーです。
サンプラー(ローランド SP-404)のSDカードを取り外して、PCを使って直接音声データファイルを書きこむ作業(IMPORT)はデジタルコピーであり、音質の劣化が生じません。サンプラーのパッド間の複写・移動もデジタルコピーです。

PCでCDから音声ファイルを切り出す処理
「WAV形式(劣化なし)」で音声データを取りだす限りでは、完全な複製のデジタルコピーです。
それ以外の形式(WMA、MP3、AACなど)で保存することは、デジタルコピーではあるものの、ファイル作成時に不可逆的な「圧縮」処理が施され、ごくわずかながら音質の劣化が生じています。
主な音声データファイル形式は、次ページを参照してください。

PHONE/LINE-OUT ⇒ LINE-IN
CDデッキ、PC、iPod、ミキサーのヘッドホン端子(PHONE)やLINE-OUTからの出力はアナログ信号です。 LINE-INからの録音が、最終的に再び音声データファイルやCDになったとしても、途中の過程はデジタルコピーではないので、音質の劣化が起きています。
サンプラー(SP-404SX)への録音も、LINE-IN からの入力だとアナログコピー(のデジタル記録)です。

マイク(MIC)による録音
人の肉声、音楽再生機器のスピーカーから響いている実際の「音」をマイクで拾ってMIC端子から録音することは最もアナログな作業です。

MDのコピー
厄介なのは、MDの規格です。(今やほとんど見かけなくなりましたが……)
市販CD(親)→MD(子)はデジタルコピー(ただし圧縮あり;音質はごくわずかに劣化)となります。
ただし、そうやって作られたMD(子)にはコピーガードの情報が書き込まれており、 そこからMD(孫)への"複製"は、著作権保護の観点から、自動的にアナログコピー(劣化)となります。

自然音、肉声を録音して最初に作られたMD(親)は「オリジナル」とみなされます。
MD(親)→MD(子)のコピーはデジタルコピーが可能です(全く同じ複製が作れます)。
そして、そのMD(子)→MD(孫)は自動的にアナログコピー(劣化)となります。